スーパーのバイト(3/4)

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さっと声をかけるだけ。それだけがどうしてもできない。なんとか山本が別店舗に行くか、休憩に行くまで、と思って別の商品を並べていたが、とうとう冷凍食品とアイスクリームを並べる仕事しか残っていない。
いやいやながらも山本を探して店内を歩いていると、結局一番最初にのぞいた事務所に山本はいた。
自分の運のなさを少し恨みながら冷凍庫へ行くことを告げると、相変わらず心のこもっていないお手本の声で返事をする。そうか、こういう声に傷ついているんだと感じるほどの自己認識が持てない程度に、久松は自分に自信がなかった。
その他
公開:23/10/02 21:26

どんぶり勘定

オリジナル短編を書いています。
同名で、ほかのサイトにも投稿しています。

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