特別食堂

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倉庫で絵巻物を見つけたと話す夫が長テーブルの上にそれを広げた。
「百鬼夜行絵だね。もしかしたら歴史的な資料かも?」
興奮する夫に私はため息をつく。私は今、明日のお祭りの料理の仕込みをしている。
評価されるかもしれない絵巻物より明日評価されたいウチの味。
絵巻物を畳むと仕事に戻るよう言い、絵巻物はそのまま置きっぱなしにしていた。
それがいけなかったのだろう…翌朝、仕込んでいたはずの食材が全て消えていた。
しかも食堂には獣の爪痕。怖くて震えが止まらない。
そんな中、夫が絵巻物を手に「これ見て」と叫ぶ。
開かれた絵巻物の中、妖怪達が私の料理を食べている姿が描かれていた。
「こいつらが犯人だね。絵から抜け出して君の料理を食べたんだよ」
開いた口が塞がらない。夫は「妻の料理は妖怪をも虜にする特別食堂だ!」と店に絵巻物を広げた。
今日のお祭り、お客さんには巻物じゃなくて私の料理を評価して欲しかったな…
公開:23/09/29 20:43

幸運な野良猫

yahoo!サーバーに問題が発生したらしく2022年9月1日より2週間入れなかったので新規にアカウント取得。
半年以上毎日Yahoo!IDでログインを試みるも、現在進行形でログインできない状態です。#EY003って何だ?
運営に報告するも、ずっと無視されております。自動応答メールだけが返ってくる…1年経過で、もう諦めた…

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