スーパーのバイト(1/4)

0
2

スーパーのバイトに思い入れなどない。
久松は自転車のペダルをこぐのを止めて坂を下る。
見慣れたグレーのアルミ扉を押すと、そこにはちょうどマネージャーの山本がいた。
「お疲れさまです」
声をかけると、山本は挨拶をかえしてくれたが、まったく心がこもってないお手本のような声だった。
おそらく好かれていないことはわかるが、何か特別なことをした覚えがない山本はそそくさと更衣室へ向かった。
制服の上着を羽織り、仕事道具の軍手とボールペンをポケットに入れて、扉を開けた。
大きな音で音楽が鳴っている中、虚空に向かってお辞儀をして店内を進む。
先に商品を並べているパートの尾崎に声をかけ、仕事を引き継ぐと、尾崎はほかのパート仲間と今日の特売品について情報交換をして歩いて行った。
その他
公開:23/10/02 21:25

どんぶり勘定

オリジナル短編を書いています。
同名で、ほかのサイトにも投稿しています。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容