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鏡の向こう側
私は祖母から譲り受けた、この大きな姿見を見る度に思うことがある。
「鏡の向こう側はどうなっているのだろう」
多分こんな事を考えるのは私だけだろう――だけど何故か気になってしまうのだ。
普通に考えれば――いや、普通に考えるまでもなく、裏側などあるはずがない。
ただ立て掛けている壁があるだけなのだから。
だが、手を伸ばせば向こう側に行けるのではないか……いつもそう考えていたのだ。
そして今日……その鏡に手を伸ばしてみた。
結果は自分の手が映るだけ。
当たり前だが向こう側に行けはしなかった。
次の日もそのまた次の日も、私は同じことを思うし、鏡へと手を伸ばす事だろう。
私は祖母から譲り受けた、この大きな姿見を見る度に思うことがある。
「鏡の向こう側はどうなっているのだろう」
多分こんな事を考えるのは私だけだろう――だけど何故か気になってしまうのだ。
普通に考えれば――いや、普通に考えるまでもなく、裏側などあるはずがない。
ただ立て掛けている壁があるだけなのだから。
だが、手を伸ばせば向こう側に行けるのではないか……いつもそう考えていたのだ。
そして今日……その鏡に手を伸ばしてみた。
結果は自分の手が映るだけ。
当たり前だが向こう側に行けはしなかった。
次の日もそのまた次の日も、私は同じことを思うし、鏡へと手を伸ばす事だろう。
その他
公開:23/09/22 06:03
さくらの作品
X(旧twitter)でフリー台本メインに活動しています。(まだ作品は少ないですが
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