老朽メモリの唄

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ときどき脳は記憶をどんなふうに貯めているのか想像することがある。もちろん実景ではなくいわゆるアナロジー。脳には記憶がそれぞれ書類となってひとつひとつの箱に入る。箱のタグで日時やキーワードなどで目当ての書類をさっと見つける。書類が増えると箱も増える。以前は箱を点検し要らない書類を捨てたりしていたが、手間がかかるし面倒な作業だ。今では箱の数を増やしてしまう。脳内スペースの箱の数を増やす。十倍、百倍それ以上の箱が魔法のように増えた。メモリ技術が進んだのだ。莫大な数の箱を抱えて書類数も圧倒的に増加した。
そして月日が経つ。目を向けることがない死蔵書類がたくさん。箱はまだ空いているが書類はほとんど不要。死蔵書類は一斉に廃棄すれば良い。そうすれば脳内維持の必要もない。
同じようなことを「私」の利用者も思いついたらしい。脳をそっくり捨てる。老朽メモリの私は仲間とともに束になって処理される。まさに今から。
その他
公開:23/09/17 09:40

たちばな( 東京 )

2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。

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