コンビニ(2/3)

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常連が入り口をくぐるのが見えた。行きつけのスーパーでよく見る人である。
いつもと同じ煙草を選ぶのでなんとなく覚えているだけで、知り合いでもない。言われた数字の煙草を渡し、現金をもらう。
制服を脱ぎ簡単な挨拶をして店を出る。
店先ではさっきの常連が煙草を吸っていた。

車に乗り込んで、スマホを見ると保育園からメッセージが届いていた。
驚いて確認すると、こどもと同じクラスで感染症の患者が出たという連絡だった。
以前、同じクラスで感染症が出たとき、「大人は大丈夫だろう」と油断した矢先、こどもからさとると妻も罹患して、二週間ほど調子がもとに戻らないことがあった。
一家全員がかからずしのぐためには、まず今日出張から帰ってくる妻をホテルに滞在させるしかない。ママっ子のこどもが妻に抱っこをせがむのはわかりきっていたからである。
となると、さとるはすべての子どもの世話を自分がすることになる。
その他
公開:23/09/16 07:43

どんぶり勘定

オリジナル短編を書いています。
同名で、ほかのサイトにも投稿しています。

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