岬の裏には…

知ってるか？
この島の穴場スポットにもなってるあの岬に灯台あるだろ？あれをぐるりと一周して裏、そう、岬の裏だな、そこをのぞくと、秘めている願い事が叶うらしいぜ…。

「んなワケねーけど、やってみるか。」

クラスメートから話を聞いた翌日、俺は自転車で例の岬へと向かっていた。青い空と潮風が心地良い。到着すると、自転車を適当に停めて白い灯台を見つめる。ややあって、その下まで進むと、ぐるりと一周した。
うん、いい感じに顔が火照ってきた。何やってんだろ、俺…。と思いつつ、せっかくここまで来たのだからと、ため息を一つ吐いて、そして…何故だか緊張しながら、ひょい、と裏側をのぞいてみた。

…刹那、長い黒髪がなびいてきた。

「っ…先輩っ！！」
「あら、奇遇ね。」

そこにいたのは、ずっと憧れ続けていた、先輩だった。

あれから月日が流れ、俺は先輩と結婚した。こんな幸せ、他にねーよ。