回収のバイト(1/2)

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すれ違うパートやバイト、社員などと軽口を叩き挨拶を交わす。前職のころであれば、決してかかわることがなかったようなタイプの人間と話すようになり、それは日々の刺激となっていた。
汗をぬぐうと、視線の先に社員の山本がいた。人ごみの中でも頭一つ分高いので、目立っている。
「メシ食ってるのか」
と声をかけてしまうほど山本は細い。暑い日も寒い日もかわらず制服のジャンパーを着ている。
こんな日差しの強い日に倒れてしまうんじゃないかと思わず心配になるが、山本はさっさと車に乗り込んだ。
昭二は、大きな音を立てながら、何十台もカートを回収する。動きが蛇みたいだと見ていたのは初日だけで、今は人やモノにぶつからないよう、気を配りながら進んでいく。
グネグネと曲がりながら、だけどまっすぐ進んでいく。
入り口の前に立つ。ゆっくりと開いたドアから、エアコンで冷えた空気が流れだしてきた。
その他
公開:23/09/14 01:42

どんぶり勘定

オリジナル短編を書いています。
同名で、ほかのサイトにも投稿しています。

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