買い物(2/3)

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支払いを済ませ、駐車場に向かっていると、見知った人影が目に入った。
向こうも気が付いたようで、何度も会釈をしている。
あの先生はいつも何におびえているのか、と佳代子は不思議に思っている。いつも自信がなさげで、ペコペコしている。ピアノを習っているとき、その不安そうな顔で教えられると、ちゃんとうまくいっているのかこちらも不安になって、ピアノが止まってしまうことがたまにあった。
うまくいくと、嬉しそうにほめてはくれるが、それが本心ではなさそうな、なんだかつかみどころがないような人である。
その他
公開:23/09/08 15:28

どんぶり勘定

オリジナル短編を書いています。
同名で、ほかのサイトにも投稿しています。

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