湖畔の熱血教師その4

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この村には、熱血湖先生というのがいる。いつもは湖の中に住み、林間学校とかで都会の小学生たちがやってくると、湖の中から現れるのだ。
その指導はいつも熱血で、湖の水が湧きあがるほどだ。
熱血湖先生の話は止まらない。この湖の歴史、生物、地理的環境から、はたまた湖という漢字の成り立ちまで語ってくる。
熱血湖先生の頭には湖がある。よそ見をしている児童がいると、熱血湖先生は怒りだして、頭の湖が沸騰する。
すると湖にいたワカサギがいい感じで煮える。中には先生の頭にサラダ油を入れてから怒らせて、ワカサギの天ぷらを作る児童もいる。
困ったものだと思いつつも、熱血湖先生は、今日も湖の底で次の児童がくるのを待ち続けている。
公開:23/09/13 08:31

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