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「人間の男だけでなく同族である人魚の男までその声で惑わすか!忌まわしい魔女め!貴様なんぞ海の果てへでも行ってしまえ!」
里を追い出された私は一人寂しく夜の海岸で歌う。
私は男を誘惑したかったわけではない。ただ歌いたかっただけなのに。
自由なはずの海が私には不自由でしかない。だから私は空に憧れる。あの空を自由に歌い泳げたらと夢に見る。
「その願い、叶えて差し上げましょう」
夜の闇から滲み出た男が私に声をかける。
「吸血鬼になりませんか?そうすれば貴方はこの空を自由に歌い泳げます」
私は男に首筋を差し出した。それが答えだ。
血を吸われ、私が私でなくなる。
吸血鬼に血を吸われた私の身体はミイラと化す。浜辺に打ち捨てられるそれ。
私は男のマントから飛び出す。私はコウモリになっていた。
コウモリになった私は夜空を自由に歌い飛び回る。
もう仲間と衝突しない生き方がやっと手に入った喜びを超音波に乗せて。
公開:23/09/06 21:13

幸運な野良猫

yahoo!サーバーに問題が発生したらしく2022年9月1日より2週間入れなかったので新規にアカウント取得。
半年以上毎日Yahoo!IDでログインを試みるも、現在進行形でログインできない状態です。#EY003って何だ?
運営に報告するも、ずっと無視されております。自動応答メールだけが返ってくる…1年経過で、もう諦めた…

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