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祭りの最後、大きな焚き火の前にエレキギターを持った祖父が現れる。それを激しくかき鳴らす祖父はとても70過ぎに思えない。見えない。
祖父の演奏に焚き火が大きく唸りを上げ、形を変える。
それはまるでサラマンダー。燃え盛るドラゴンは祖父の演奏に大きさを増していく。
サラマンダーが夜の空へと飛び立てば祭りも終わり。
演奏を終えた祖父は汗を拭うとピックを箱に仕舞う。
このピックこそ、サラマンダーの鱗であり、この火竜祭に欠かせないアイテムだ。
これを使い、上手な演奏をすればサラマンダーは喜ぶ。
だが万が一にも下手な演奏をすればサラマンダーの逆鱗に触れてしまう。取り扱いと演奏には注意が必要である。
そのピックをいつか私が受け継ぐ。
本来なら父が受け継ぐはずだったが、人魚と恋に落ちた父は人魚の鱗でしかギターを弾けない。
きっと今頃自宅では、母の鱗で作ったピックで産まれたばかりの弟に子守唄を聞かせている。
公開:23/09/06 21:08

幸運な野良猫

yahoo!サーバーに問題が発生したらしく2022年9月1日より2週間入れなかったので新規にアカウント取得。
半年以上毎日Yahoo!IDでログインを試みるも、現在進行形でログインできない状態です。#EY003って何だ?
運営に報告するも、ずっと無視されております。自動応答メールだけが返ってくる…1年経過で、もう諦めた…

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