先輩男子と後輩女子

部活終わり、「俺、送り狼男なんだ。君を食べちゃうぞ～」と赤いフードを被った小柄な後輩女子に話しかける。当然、冗談だ。俺にそんな度胸はない。
後輩は「私、狼男ハンターなんです。先輩を撃ち殺しちゃうぞ～」と懐から素早く取り出した銃を俺の心臓に突き付ける。後輩は本気だ。この子にはその度胸がある。
「…なんてね。冗談ですよ。先輩、女の子にそんな事っちゃダメなんですからね」
後輩は笑顔で懐に銃を仕舞う。だが、目は笑っていない。
それにしても冗談が通じる子で良かった。そうでなければ、俺は撃ち殺されていただろう。
あと、この子と満月の日に一緒に帰るのはやめておこう。冗談抜きで、本当に殺されかねない…