ホラーとファンタジーと

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「マスター、今日は」
「いらっしゃいませ。暑いですね」

「暑い時には、ファンタジーだよね」
「ファンタジーやホラーですか」
「うん、“不思議な話”が好きでね。でも怖いのは苦手なんだ」
「はあ?」
「たとえば、昼ひなかに奇妙な事に出会う、そういう不思議が好きでね。そんなファンタジー話は、ふっと涼しくなる」

「じゃ、ホラーは?」
「ホラーは、たとえば、狭い所で逃げられない話、とかでしょ。それは、怖いのは当然だよね」
「あはは。確かに」
「不思議な話とは、違うよね」

「ホラーと、ファンタジーは違いますね」
「そうだね。ホラーでありがちなのは、暗闇で怖い状況になった時に、なんで、電気をつけないんだろう、とか思う」
「あはは」
「その時点で、不合理でしょ。もう興味なくなる」

「じゃ、仮に、そのお化けや妖怪が、“電気を食う”性質を備えていたら?」
「...それは、怖いね(笑)」
その他
公開:23/08/27 16:07

tamaonion( 千葉 )

雑貨関連の仕事をしています。こだわりの生活雑貨、インテリア小物やおもしろステーショナリー、和めるガラクタなどが好きです。

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