夏空のオーディエンスへ!

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活力に満ちた雑草の生い茂る土手の上。

ここが私のライブ会場だ!
空を丸ごと飲み込むように息を大きく吸ってから吐き、片手に握りしめていたマイクを口元まで運ぶ。

「みんなー!!今日は集まってくれてありがとーー!」

突き抜けてしまいそうな程の青空へ呼びかけると、入道雲達が大歓声を上げながらモコモコと盛り上がる。

私は熱唱した、声の限りに!蝉の大合唱にだって負ける気はしない。汗が光る。煌めく太陽のスポットライトは、今だけ私が独占する!

視界が眩む。それでも歌う!
どこまでも広がる夏空で、私の歌の為に集まってくれた入道雲達の為に!
声が枯れてしまうくらいに、息が切れしてしまうくらいに!全力で!!

今、目の前にいる彼らとは、今年の、夏しか…、会うことが、できないのだからっ…!!

ライブ終盤、感極まった入道雲達が一斉に号泣して、激しい雷雨が地面を叩いた。
その他
公開:23/08/26 21:53

ネモフィラ(花笑みの旅人)( 気の向くまま )

読んでくれてありがとう!

寒い季節になったから、気が向いた時にふらりと立ち寄ってゆるーく投稿しています。

 

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