呪い屋

0
2

「よってらっしゃい見てらっしゃい。呪い屋だよ」
祭りが終わった深夜1時に声をあげる屋台があった。
白衣に扮し、灯した蝋燭を突き立てた鉄輪を頭に被った不気味な女性が注意を引いていた。
「呪い屋?」
一人の男が進み出て尋ねた。
「いらっしゃい。呪い屋はね、丑の刻参りを使った遊びさ。自分の名前を書いた紙を藁人形に入れて五寸釘を打ち込むと面白いことが起きるんだ」
「死ぬとかないよな?」
「大丈夫、このあたしが保証するよ。試しにどうだい?」
「ああ」
男は恐る恐る紙に名前を書き、筒状に丸め人形に入れた。
「これで打ち込むんだ」
木槌と五寸釘を渡された男は、人形に狙いを定めると釘をガツンと打ち込んだ。
その時だった。男に変化が起きた。突然四つん這いになると頭に二本の角が生え、あっという間に姿形が変わってしまった。
「もぉ!何だよこれ⁉」
「牛になる呪いだからのろいってね」
観衆が冷たい視線を向けた。
ファンタジー
公開:23/08/25 20:00

社 真秀

空想世界を広げる為書き連ねます。アドバイス、ご指摘いただけると幸いです。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容