心霊映え

「幽霊さ～ん、一緒に写真撮ってくれませんか～」
私の家の近くに超有名な心霊スポットがある。そこで写真を撮ると幽霊が映り込むというのは今や誰もが知る噂話。
だからこそ、この場所で撮った心霊写真に誰も驚かない。だからもう、誰も来ない。
そんな場所にやって来た私はここにいるであろう幽霊に呼びかけた。
ここの幽霊は本物だ。なら、場所を変えて別のところで写真を撮ればいい。
私は幽霊を連れ、心霊写真映えしそうなスポットで写真を撮りまくった。
私も幽霊もノリノリだ。アップした写真には次々と”いいね”が付く。
時には幽霊にメイクや衣装替えや小道具も使用した。血塗れ包丁を握る姿はガチで怖かった。
私は幽霊と一緒に撮る写真に憑りつかれた。世界中が私に注目する。皆が私を見てくれる。
幽霊が疲れた顔をする。それすらも心霊写真映えする。嫌がる幽霊をも私は撮り続ける。
ねぇ、幽霊さん…私、貴方から一生離れないからね。