予知ビー玉

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「たっだいまー」

冷蔵庫の扉を開けると同時に言い放つ。そこには、学校から帰ったら飲もうとキンキンに冷やしておいたラムネが……無かった。
正確にはラムネの中身、ラムネ水が綺麗さっぱり無くなっていたのだ。残ったのはおまけのビー玉だけ。

「誰かが私に黙って飲み干したなぁ」

瓶を洗おうと水を注いだ。その時奇妙な光景が起こった。まるでビー玉が喉を乾かせ、水をがぶ飲みするかの如く全て吸い尽くしたのだ。
私はビー玉を取り出し、転がしたり、振ったりして確かめたが一滴も水は落ちなかった。そして、最後にビー玉を覗き込んだ。

――
 
「頑張ったな満点じゃないか」

先生が私に言った。
 
水は全ての記憶を保持していると聞いたことがある。水を取り込んだのは記憶を溜めるための充電なのかもしれない。このビー玉は私に未来を見せてくれたのだ。

あの時、ビー玉には明日のテストの問題が映っていた。
ファンタジー
公開:23/08/17 20:00

社 真秀

空想世界を広げる為書き連ねます。アドバイス、ご指摘いただけると幸いです。

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