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これは江戸時代にいた、絵師の男の話でございます。
男はある晩、屋敷の襖の向こうにとても美しい女性の影を見ました。
その女性を一目見たい。だが男はその襖を開く事ができません。襖を開けると女性はフッと消えてしまうからです。
だから男は女性の影のみを描き続けました。当時は墨絵が主流。その相性も良かった。
毎夜筆を走らせる音が男の部屋からしたのだとか…それを周囲は不気味に思ったそうです。
何せ男の部屋の外には誰もいない。誰も女を見た事がない。
なのに男は毎晩、女が襖の前に現れると言い張る。
それはきっと幽霊だ。男は悪いものに憑りつかれているに違いない。
そう噂される中、男は女性の正体に気付きつつありました。
その女性は煌々と輝く月が、草木の影を集め作った姿でした。
幽霊の正体見たり枯れ尾花。
それを知って尚、男は女性の正体を決して明かしませんでした。
お月と名付けた女性を一人、生涯描き続けたとさ。
公開:23/08/21 20:29
昔話

幸運な野良猫

yahoo!サーバーに問題が発生したらしく2022年9月1日より2週間入れなかったので新規にアカウント取得。
半年以上毎日Yahoo!IDでログインを試みるも、現在進行形でログインできない状態です。#EY003って何だ?
運営に報告するも、ずっと無視されております。自動応答メールだけが返ってくる…1年経過で、もう諦めた…

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