お土産切符

2
3

電車に初めて一人で乗りました。
「切符を拝見。おや、嬢ちゃん一人かい」
「うん! お家に帰るの」
「そうかい偉いね」
電車が川の上を走っています。キラキラしていて綺麗です。
「ママとパパ喜ぶかな」
「ああ、喜ぶさ」
電車がひまわり畑を走っています。ポカポカしていて太陽みたいです。
「でも、お土産買うの忘れちゃった」
「それなら切符をお土産にしたらいいよ」
「いいねそうする!」
電車が町を走っています。小さな町です。
「夕暮れまでには戻ってくること。約束できるかい」
「はい! わかりました」
電車が家の前で止まりました。私はこの家が大好きです。
「お線香の匂いだ」
私はお家の中を走っています。書ける物を探してます。
「どうしてなの! どうしてあの子はっ……」
ママとパパは泣いています。悲しそうです。
「ん、切符? お、おい見ろよこれ」
私は切符に「ただいま」と書きました。二人共嬉しそうです。
ファンタジー
公開:23/08/16 20:00

社 真秀

「自分の想う世界観を広げたい、形にしたい」という気持ちを抑えきれず投稿を始めました。
駆け出しですが、少しずつでも伝えられるよう努めますのでどうぞよろしくお願いします。
アドバイス、ご指摘いただけますと幸いです。


 

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容