お芋一切れ
0
1
飢饉が続いていた。俺も山門の陰に腰を落とし、項垂れている人々。お寺の賽銭も泥棒たちに持ち去られている。神仏にすがってもおなかの空腹はみたされない。
「おかあちゃん、おなかすいたよう」
「ごめんね。もう食べ物ないんだよ」
「わがまま言うでねえよ」
「おなかすいたよう」
「ほら。これお食べ」
姉が懐からお芋をとりだし妹にさしだした三人親子。
「あんたそれ。こないだの」
「うん。食べずにとっといたの」
「お姉ちゃん。いいの?」
「ほら、おたべ」
妹がお芋を受け取ろうとしたそのとき
「その芋!よこせや!」
山門の陰に腰を落としていた男がお芋を奪おうとした。
「ぐぉ」
その腕を刀が一閃切り落とした。いや峰打ちで叩き落した。
「ひぃ」男は逃げ去っていった。
地面に落ちる寸前でお芋を拾い、上へ放ると空中で三振りし、四切れをお姉ちゃんの手に戻した。
「ありがと」
俺は一切れもらった。
「ありがと」
「おかあちゃん、おなかすいたよう」
「ごめんね。もう食べ物ないんだよ」
「わがまま言うでねえよ」
「おなかすいたよう」
「ほら。これお食べ」
姉が懐からお芋をとりだし妹にさしだした三人親子。
「あんたそれ。こないだの」
「うん。食べずにとっといたの」
「お姉ちゃん。いいの?」
「ほら、おたべ」
妹がお芋を受け取ろうとしたそのとき
「その芋!よこせや!」
山門の陰に腰を落としていた男がお芋を奪おうとした。
「ぐぉ」
その腕を刀が一閃切り落とした。いや峰打ちで叩き落した。
「ひぃ」男は逃げ去っていった。
地面に落ちる寸前でお芋を拾い、上へ放ると空中で三振りし、四切れをお姉ちゃんの手に戻した。
「ありがと」
俺は一切れもらった。
「ありがと」
その他
公開:23/08/15 19:53
更新:23/08/15 19:58
更新:23/08/15 19:58
芋
飢餓
食べ物
食料
食糧
飢饉
不足
以前の「前虎」ページにて184作品(近眼なプリンセス)までの投稿はご覧いただけます。
そちらのページは2023年4月23日からログインできない状態のため、
その後の投稿作品は新たにこちらの「前虎2」のページに投稿いたします。
以前と変わらず「小説家になろう」さんの「前虎」ページでもご覧いただけます。
よろしくお願いいたします。
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます