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子どものころ、くせっ毛が嫌いだった。
でもママはそんな髪にリボンを結わえ、こう言ってくれた。
「ふわふわの髪に、ピンクのリボン。ほら。まるで、お姫様みたい」
それ以来、リボンは私の宝物になった。けれど私の髪に、リボンはもうない。とっくに解いてしまった。
だって、私にはもう。
「ママー。まーだ?」
鏡の前に座らせ、髪をとかしてやっていると、娘は退屈したように、私を見上げてきた。
「もう終わりよ。これをこうして、っと」
髪を一房とり、リボンで結わえてやる。
「はい、オッケー」
彼女の髪を彩るのは、真新しい赤いリボン。
かつて私の宝物だったリボンは、色褪 せ、擦り切れてしまい、捨てざるをえなかった。でも、もういい。
だってリボンより大切なものが、今ここにあるのだから。
私はリボンに触れながら、かつてママから贈られた言葉を、新たな宝物に伝える。
「ほら。まるで、お姫様みたい」
でもママはそんな髪にリボンを結わえ、こう言ってくれた。
「ふわふわの髪に、ピンクのリボン。ほら。まるで、お姫様みたい」
それ以来、リボンは私の宝物になった。けれど私の髪に、リボンはもうない。とっくに解いてしまった。
だって、私にはもう。
「ママー。まーだ?」
鏡の前に座らせ、髪をとかしてやっていると、娘は退屈したように、私を見上げてきた。
「もう終わりよ。これをこうして、っと」
髪を一房とり、リボンで結わえてやる。
「はい、オッケー」
彼女の髪を彩るのは、真新しい赤いリボン。
かつて私の宝物だったリボンは、色褪 せ、擦り切れてしまい、捨てざるをえなかった。でも、もういい。
だってリボンより大切なものが、今ここにあるのだから。
私はリボンに触れながら、かつてママから贈られた言葉を、新たな宝物に伝える。
「ほら。まるで、お姫様みたい」
その他
公開:23/08/08 21:00
ほっこり
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