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しまった。うっかり左手で書いてしまった。「鳥」の字が紙から飛び出し部屋を暴れ回ると勢いよく壁にぶつかりインクが飛び散った。
「ああ、壁が……これは説教確定か。蔵の中だけはどうか勘弁してくれ」
僕は人知を超える力を持って産まれた。文字産みと呼ばれ顕現する物の名を左手で書くと文字が生命を持つのだ。
昔、文字産みを遊び目的で使い祖父に蔵へ放り込まれたことがある。
中には異形な石碑が数百とあった。龍や鵺、件、鬼といったこの世のものとは思えない生物が鎮座しており中でも印象的なのは十二支を合わせたかの様な獣。今にも動き出しそうで逃げ出したかった。
祖父は僕に語り始めた。
「お前の曾祖父も産みの担い手だった。そして今、お前に受け継がれている」
「これらは名と名を組み、生み出されたものだ。その後八百万の神の怒りを買い、亡くなった。」
「当然の報いだ。新たな生物を生み出すなど人の諸行ではない」と脅された。
「ああ、壁が……これは説教確定か。蔵の中だけはどうか勘弁してくれ」
僕は人知を超える力を持って産まれた。文字産みと呼ばれ顕現する物の名を左手で書くと文字が生命を持つのだ。
昔、文字産みを遊び目的で使い祖父に蔵へ放り込まれたことがある。
中には異形な石碑が数百とあった。龍や鵺、件、鬼といったこの世のものとは思えない生物が鎮座しており中でも印象的なのは十二支を合わせたかの様な獣。今にも動き出しそうで逃げ出したかった。
祖父は僕に語り始めた。
「お前の曾祖父も産みの担い手だった。そして今、お前に受け継がれている」
「これらは名と名を組み、生み出されたものだ。その後八百万の神の怒りを買い、亡くなった。」
「当然の報いだ。新たな生物を生み出すなど人の諸行ではない」と脅された。
ファンタジー
公開:23/08/06 20:00
空想世界を広げる為書き連ねます。アドバイス、ご指摘いただけると幸いです。
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