落としもの

好奇心は猫をも殺す。それが分かっていながら私は山猫軒を探す事をやめられない。
注文の多い料理店で有名なあの店と、一度でいいから遭遇してみたい。
店内に入ったが最後、私は生きて帰れないかもしれない…それでも私は山猫軒に行ってみたい！
だから私は山猫軒を見た事がある人、入った事がある人に話を聞く。
中には「必ずやあの店の謎を解いてくれ！」と泣きつかれる事もあった。
山猫軒の目撃情報は、その全てが山奥である。
にも拘らず、山猫軒があったと思わしき場所には砂が落ちている事が多い。山の中に砂？ありえない。少なくとも、この山の土壌では考えられない。
だから私は落ちている砂は必ず回収する。これはきっと、山猫軒に辿り着く為の鍵となる！
そう信じて疑わない私だが砂を集めれば集める程、猫から妨害を受けるようになった。
何故か猫の多くはこの砂の上で用を足そうとする。謎だ…
これもきっと、山猫軒の仕業に違いない…