メデューサの惚気話

メデューサの私に恋愛なんて無理だと思っていた。
私が見つめるだけで相手は石になってしまう。こんな私だ…当然、今まで友達すら出来た事がない…
学校では隠れるように一人寂しくご飯を食べる。
こんな私に不良だって絡んでこない。誰だって石にはされたくないものね…
誰からも話しかけられない、灰色の学生生活。
そんな私に、彼氏ができるとは思わなかった。
彼は一人きりの私に声をかけてくれた。優しく微笑みかけてくれた。ごつごつした大きな腕で私を抱きしめてくれた。
一人きりだった私に初めてできた大切な人…彼はストーンゴーレムです。
彼は私が石にしてしまったものを美味しそうに食べてくれます。そのせいで最近、彼は太ってしまいました。
なので私は槌とノミを手に、彼のダイエットに励みます。
私が彼から削り落とした石片は意志を持っていて、集まっては小さなゴーレムになると私と彼を「ママ！パパ！」と呼ぶようになりました。