ガーゴオイル

私の住む田舎では、皆家に番犬を飼っております。
昔から米蔵が多く、泥棒に狙われる事が多かったからその名残です。
その番犬が亡くなると、飼い主は番犬の亡骸にガーゴオイルを塗りたくります。
このオイルは長時間風に当てる事で石のようになる性質を持っています。
このオイルを使って、飼い主は番犬をガーゴイル化させます。
酷い仕打ちだと思われるかもしれませんがガーゴイル化は愛された証拠でもあります。
実際私もガーゴイル化したポチを未だに可愛がっています。石になってもポチはポチ。磨くと嬉しそうです。
ただ、飼い主には可愛く見えても泥棒にはそうは見えないでしょう。
ガーゴイル化した番犬を見ては腰を抜かして逃げていきます。賢明な判断です。
中にはガーゴイルを壊す泥棒もいます。
そんな泥棒は破損部分から噴き出たガーゴガスを全身に浴び、石像化します。
村の入り口に並んでいる石像群はそうやって集められたものです。