エアーコーン

米国から空輸され体格の良いコーンが、スーパーの野菜売り場の一等地に置かれ、俺は粒揃いだと胸を張っていた。
そこは昨日までは日本産コーンが陣取っており、今日は追いやられ隅の方にいる。
日本産は俺は日本のエアーを吸って育ち、今日のところはオモテナシ精神で、席を譲ってやったが味は上だと叫んでいる。
そこへ客が来て大きい方はミキサーで、スープにしようかなと籠に入れた。
米国産は一番先に選ばれた事で鼻高々だ。
その客は次に隅の方に手を伸ばし、これは小さいけど茹でたら美味そうだと籠に入れた。日本産は二番目に選ばれたのが不満であった。
家に着き調理台に並べられた二つのコーンは、未だ喧嘩中だ。
やがてスープに変身したり、一方は艷やかに茹でられ食卓に並んだが、まだ喧嘩を止めません。
”ご馳走様”となり両者共、綺麗に夷らげられた時、どちらも美味しく素晴らしいエエコーンだと褒められ嬉しくなり仲直りが出来た。