座敷わらし
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誰にも信じてもらえないけど、小さい頃座敷わらしにあったことがある。
田舎の駄菓子屋でお菓子を買った時に、ねだられたので少し分けてあげたんだ。
『ありがとう。おれいに、きみをしあわせにしてあげる。でもまだわたしちっちゃいから、ちゃんとできるようになったら、しあわせにしてあげる』
そんなことすっかり忘れてた僕は、ついうっかり口にしてしまった。
母親が死んで、仕事のミスが重なって、色々、しんどくて。
「あぁ、楽になりたいよ…」
『わかった』
「え?」
そんな声がして、突然、僕の家がガタガタガタガタ激しく揺れ出す。
僕の家の真下が、まるで震源地みたいに。
『らくにしてあげる。しあわせにしてあげる。ね、うれしい?』
「あ、はは……」
口は災いの元って、こういうことか。
僕は薄れていく意識の中で、あの頃と変わらない笑顔で無邪気に笑う座敷わらしを見た気がした。
田舎の駄菓子屋でお菓子を買った時に、ねだられたので少し分けてあげたんだ。
『ありがとう。おれいに、きみをしあわせにしてあげる。でもまだわたしちっちゃいから、ちゃんとできるようになったら、しあわせにしてあげる』
そんなことすっかり忘れてた僕は、ついうっかり口にしてしまった。
母親が死んで、仕事のミスが重なって、色々、しんどくて。
「あぁ、楽になりたいよ…」
『わかった』
「え?」
そんな声がして、突然、僕の家がガタガタガタガタ激しく揺れ出す。
僕の家の真下が、まるで震源地みたいに。
『らくにしてあげる。しあわせにしてあげる。ね、うれしい?』
「あ、はは……」
口は災いの元って、こういうことか。
僕は薄れていく意識の中で、あの頃と変わらない笑顔で無邪気に笑う座敷わらしを見た気がした。
その他
公開:23/08/05 07:55
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