落としもの

「先輩、私の恋愛運見ませんでしたか？」
『占い師じゃないんだから見れるわけないでしょう…』
「そうじゃなくて！私、どこかに恋愛運を落としたみたいなんです。どこかで見ませんでした？」
『…いや、見ていないな…そもそも物理的に落とせるものなの？』
「落とせますよ。何なら、人に譲ったりもできるんです。これが友人の紹介だったり、略奪愛と呼ばれるものなんです」
『そうなんだ…』
「で、今日の私。占いによると恋愛運が急上昇中らしいんです。私今フリーですし、その恋愛をものにしたいな～って…そう思っていたのに…」
『…もしかしてだけど、私がさっきゴミと一緒に捨てたのが、貴方の探してる恋愛運かもしれない…』
「酷い！先輩！知らなかったじゃすまないですよ！何でそんなことしたんですか！」
『貴方の恋愛運ね、多分だけど急上昇しすぎて高いところから落ちたんだと思う…粉々に砕け散っていたの…』
「そんなぁ…」