ウラシマ

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最初からおかしかったんだ。そもそもあの亀は子供に虐められてなんかいない。ただ私をジーッと見ていただけだ。しかし何だか近づかなければいけないような気持ちになってしまった。今思えばあれは本当に亀だったのだろうか。それから竜宮城へ向かうことになる。近づく程に竜宮城がなんだか素晴らしいものに見えてくる。なんだか魅了されてしまうような。入口につくとヒトガタの魚のようなものが私を中へ導いた。奥にあったのは豪華絢爛な装飾でも豪勢なご馳走でもない。部屋の中心にそびえ立つ1つの銅像だった。その姿はタコのような人間のような。とりあえずこの世のものではない気味の悪いものだった。それをヒトガタの魚が祀っていた。その光景を見て思った。ああ、私は選ばれたのだと。そこからかなりの時間を過ごしたと思う。気がつくと私は砂浜にいた。傍らには黒くヌラヌラと光る箱が1つ。それを開けたら人間でなくなってしまう様な気がして。
SF
公開:23/07/24 23:10

リマウチ

超ショートショート書いていきます

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