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「ここ以外で思い当たる所はないのに…。」

凹んだ肩を摩りながら、私は落とし物を探している。
予備校帰り、模試の結果を公園のベンチで確認した。第一志望の合格判定は芳しいものではなく、その時に肩を落としてしまったのだ!
落とした事にも気づかぬくらいに意気消沈していたのだが、帰宅後、服を着替えている時に流石に気が付いた。

自分の記憶を頼りに、どの辺まで肩があったかを思い出し、大きく落とした可能性の高いこの公園を探しているのだが見つからない。さっきからため息は止まらないが、これ以上落とせる肩がないのは不幸中の幸いなのだろうか。そんな事を考えながら公園を夢中で探していると、だんだん気持ちが落ち着いてきて、最終的には上向きになっていた。

「また、頑張ればいいじゃん!」

その後、肩を大きく落としたことで吹っ切れた私は勉強に力が入り、成績は右肩上がりになっていく一方だった。
その他
公開:23/07/24 16:27
更新:23/07/24 16:34

ネモフィラ(花笑みの旅人)( 気の向くまま )

読んでくれてありがとう!

寒い季節になったから、気が向いた時にふらりと立ち寄ってゆるーく投稿しています。

 

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