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透明な向日葵が俯き咲いている。
麦わら帽子の似合う少女は、風鈴のような声で尋ねた。
「どうしたの?」
「黄色を落としてしまったの。夢中で太陽さんを見つめているうちに…。」
眩しく輝く夏空が、かえって向日葵の哀しみの影を濃くしているように少女は思った。
「私、探すわ!」
少女は、花畑のアゲハ蝶や近所で飼われているヒヨコ、おやつのバナナにまで黄色の行方を尋ねて回った。
黄昏時、向日葵の元に少女が戻ってきた。
「あなたの落とした黄色、見つからなかった。ごめんなさい。」
向日葵は優しく首を振り「ありがとう」と言った。
「でもね、みんなが黄色を分けてくれるって!…どうかしら?」
少女の後ろには、アゲハ蝶とヒヨコとバナナが隠れていた。
向日葵がにっこり笑って頷くと、皆は自分の黄色を向日葵に少しずつ分け与えた。
その夏、太陽は恋に落ちた。一際優しく美しい、一輪の向日葵に。
麦わら帽子の似合う少女は、風鈴のような声で尋ねた。
「どうしたの?」
「黄色を落としてしまったの。夢中で太陽さんを見つめているうちに…。」
眩しく輝く夏空が、かえって向日葵の哀しみの影を濃くしているように少女は思った。
「私、探すわ!」
少女は、花畑のアゲハ蝶や近所で飼われているヒヨコ、おやつのバナナにまで黄色の行方を尋ねて回った。
黄昏時、向日葵の元に少女が戻ってきた。
「あなたの落とした黄色、見つからなかった。ごめんなさい。」
向日葵は優しく首を振り「ありがとう」と言った。
「でもね、みんなが黄色を分けてくれるって!…どうかしら?」
少女の後ろには、アゲハ蝶とヒヨコとバナナが隠れていた。
向日葵がにっこり笑って頷くと、皆は自分の黄色を向日葵に少しずつ分け与えた。
その夏、太陽は恋に落ちた。一際優しく美しい、一輪の向日葵に。
ファンタジー
公開:23/07/24 16:22
読んでくれてありがとう!
寒い季節になったから、気が向いた時にふらりと立ち寄ってゆるーく投稿しています。
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