お姫様

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小さい頃はお姫様になりたかった。
ふりふりのレースとリボンがたっぷりで、絵本の中のお姫様が憧れだった。

中学生、高校生、大学生になると、流石にそんな夢は恥ずかしいものだと思うようになった。
昔の話を掘り出されるのも嫌だった。

でも、今日、私はお姫様になる。

「夢が叶うわね」
「いつの話よ」
「昔からよく言ってたじゃない。似合うわよ、お姫様」

そう笑ってる母は少し泣きそうで、私もつられて泣きそうになった。
姿見に映る私は純白のドレスを纏って、これから私の王子様と愛を誓うのだ。
その他
公開:23/07/13 07:44

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