そして再び

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【母】
きっと、あの人は約束を破る。

私は玉手箱をあの人に贈った。決して開けないでくださいと言って。でも、そう言えば開けたくなるのが人の心。

地上では既に三百年の時が経っている。変わってしまった地上を見て、変わっていない自分を嘆くだろう。
玉手箱には過ぎ去った時間が入っている。吸い込めば、年をとって死ぬという仕掛け。

あなたが生きていたら、この子の父親が人間だということが、いつか知られてしまうでしょうから。
だから玉手箱を贈ったの。
この子は海の眷属として育てます。

【子】
鯛のじいやが、こっそり教えてくれた。
僕の本当の父親は、地上の人間なのだそうだ。
地上ってどんなところだろう。
亀に化けて、見に行くことにしよう。
母にはもちろん内緒で。…
その他
公開:23/07/16 21:28

ガラマイヤ( 日本 )

読んでくださりありがとうございます。
小学生の頃、「世界中の本をぜんぶ読んでしまったら退屈になるから、自分でお話を書けるようになりたいな」と思いました。
僭越ながら、子どもの頃の夢のまま、普段はショートショート作家を目指して、2000字くらいの公募に投稿しています。芽が出るといいな。
ここでは思いついたことをどんどん書いていこうと思います。
皆さまの作品とても楽しく拝読しています。毎日どなたかが更新されていて嬉しいですね。
よろしくお願いしますm(_ _)m
*2020.2〜育児のため更新や返信が遅れておりますが、そんな中でもお読みくださり、コメントくださり本当にありがとうございます!

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