褒められ屋

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「なあ、本当にいるんだろうな」「ああ、毎週火曜日には駅前って決まってるんだ。ほら、いた」同僚が指差した先には首から段ボールをぶら下げている男がいた。そこには五分間褒め1000円と書かれていた。「あれが褒められ屋さ」「褒め屋じゃなくてか?」「ああ、人に褒めてもらってお金を貰っているんだ。殴られ屋の褒め版みたいなもんだね」「ふーん、しかしあんなんで金儲け出来るのかね」「まあ見ていなって」僕は疑りながら男を見つめた。すると数分後に若い男性がお札を握りしめて男に走って近づいてくる。「頼む!いける時間分!」「いえいえ、毎回一人最長15分までと言っているでしょう。今回も次回も例外はありませんよ」僕は唖然とした。さらに男の前に人が集って、列をなしていく。「な?意外と需要あるだろ」同僚は少し笑いながら言った。「意外と心の内に褒めたいを抱えている人はいるもんだ。最近は褒めるのもハラスメントになるからねぇ」
その他
公開:24/03/02 21:52

リマウチ

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