はじける

企画が完成し、今日は打ち上げだ！と盛り上がる仲間達をよそに私は一人家路につく。
途中コンビニで酒とつまみ、あと打ち上げ花火を購入し、それをひっそり公園で楽しむ。
この打ち上げ花火は夜空に打ち上げるものではなく、一人祝杯を挙げたい時に楽しむもの。
ぱちぱちとはじける火花が拍手に聞こえる。私はこれで十分だ。
「こんなところにいたのか。探したぞ」
企画に参加していた仲間が公園に現れた。
「打ち上げ、行かないか？貴方がいないと盛り上がらないんだ」
逆だろう。私みたいな陰キャは雰囲気を盛り下げる。
「あの企画、裏で支えてくれたのは貴方だろう？花火と同じで裏方さんがいないと打ち上げは始まらないよ」
その説得に私は渋々打ち上げに参加する。
私の顔を見るや、待ってましたと言わんばかりの歓声が上がった。
皆、乾杯したくてうずうずしている。
今日飲んだビールはいつもよりはじけていてるようで、美味しく感じた。