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夜な夜な尻の穴から何かが出入りしている。とうてい通過できるはずのない直径で、身体の中に納まるはずのない長さの何かが、腹の中のあちこちを押したり引いたりしながら、ズルズルと這い出していく。尻たぶや太もも、ふくらはぎや踝をぎゅっ、ぎゅっと掴まれる感じで目覚めるのだが、それが完全に出て行ってしまうまで身動きがとれず、キュプッという音とともにそれが出ていった瞬間に、意識を失ってしまう。
記憶。
中学校の修学旅行の夜、旅館の薄明りの部屋で、枕に顔を埋めて尻を高く掲げて眠る同級生たちの尻から、もぞもぞと何かが這い出していくのを見ていた。それから記憶が途切れ、次の日から僕は、同級生たちとうまく話せなくなったのだった。
それは明け方戻ってくる。
高く掲げた左右の尻をぎゅっと掴んで、尻の穴につるつるした頭を押し付けて時計回りにゆっくりと回転しながら、入ってくる。やがて違和感が消えると朝が来る。
記憶。
中学校の修学旅行の夜、旅館の薄明りの部屋で、枕に顔を埋めて尻を高く掲げて眠る同級生たちの尻から、もぞもぞと何かが這い出していくのを見ていた。それから記憶が途切れ、次の日から僕は、同級生たちとうまく話せなくなったのだった。
それは明け方戻ってくる。
高く掲げた左右の尻をぎゅっと掴んで、尻の穴につるつるした頭を押し付けて時計回りにゆっくりと回転しながら、入ってくる。やがて違和感が消えると朝が来る。
その他
公開:24/02/25 09:19
シリーズ「の男」
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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