名画でショート01『星たちを引き連れた夜』(エドワード・ロバートヒューズ)
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夜の女神は、そっと、赤ん坊を抱き寄せた。
薄青色のローブを身にまとった女神が、蒼い帳に包まれた夜空を、そっと横切っていく。女神の目は慈愛に満ち、腕の中には赤ん坊が安らかな寝息を立てている。女神が通った後にはケシの花が散らばり、その花を囲むようにして小鳥が飛び回る。
彼女のことを幼子の天使が追いかけ、その列は天の川のように延々と続く。彼女は、数えきれないほどの幼子に天使たちに向けて、そっと人差し指を唇に添えてみせる。
「赤ん坊を起こしたらダメだよ」
天使たちは騒ぐのを止めて、口を閉じたまま、それでも手足と羽は動かしたまま、女神の後を追う。夜空に星々の橋ができあがる。
そのころ、地上では幾多の命が生まれ、幾多の命が消えていた。
ある春の日の夜のこと。
薄青色のローブを身にまとった女神が、蒼い帳に包まれた夜空を、そっと横切っていく。女神の目は慈愛に満ち、腕の中には赤ん坊が安らかな寝息を立てている。女神が通った後にはケシの花が散らばり、その花を囲むようにして小鳥が飛び回る。
彼女のことを幼子の天使が追いかけ、その列は天の川のように延々と続く。彼女は、数えきれないほどの幼子に天使たちに向けて、そっと人差し指を唇に添えてみせる。
「赤ん坊を起こしたらダメだよ」
天使たちは騒ぐのを止めて、口を閉じたまま、それでも手足と羽は動かしたまま、女神の後を追う。夜空に星々の橋ができあがる。
そのころ、地上では幾多の命が生まれ、幾多の命が消えていた。
ある春の日の夜のこと。
ファンタジー
公開:24/02/26 21:44
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