ヒーロー

小学校の宿題の作文で、将来の夢を書いた。
僕は、「ヒーローになりたい」と書いた。
アニメや漫画が大好きで、ずっとそういうものに憧れてた。
でも、発表するとクラスの皆が笑った。
「アニメじゃないんだから」「子供かよ」って。
恥ずかしくて悔しくて、泣きそうになった。
でも、先生が言った。
「警察や消防士、お医者さん。誰かにとってのヒーローは、たくさんいる。簡単に笑って良い夢じゃない」って。
そして最後に僕に、「素敵な作文だね」って笑ってくれた。







「僕の夢は、ヒーローになることです」
1人の生徒がそう作文を読み上げる。すると、クラス中で笑いが起こった。
「漫画の読みすぎだろー」「いつまで子供なんだよ」と。
その子は泣きそうだった。
だから、僕は言った。「素敵な夢だ。どんなヒーローになりたいの？」と。
あの日、僕を助けてくれた先生みたいに。
僕も生徒を助けるヒーロー、やれてるかな。