文継ぎセミナー

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「器が割れたり欠けたりした際に施す金継ぎと同じ要領なんですよ」
セミナー講師が文継ぎについて説く。
受講者の各々が持ち寄った壊れた文章は真っ二つに破断した小説や肝心な所が欠けてしまった恋文など様々だ。
セミナー常連の女性は助手さながら初心者に世話を焼いた。
「もしよければこちらも使ってみてください」
尋ねると彼女が嫁ぐ際に母親から譲り受けた料理のレシピだそうで
経年劣化で欠けてしまい不完全なものとなっていた。
「元ある形に復元するのも一つですが、違う種類の文を繋ぎ合わせる事も
新たな魅力を発見する醍醐味なんですよ」
金継ぎでも異なった欠片を繋ぎ合わせて新たな作品に仕上げるそうで
その観点は面白く興味をそそった。
そして金継ぎを模して『金』の文字で文を繋ぎあわせるのだ。

金金金金金金金金金金金金金金金金金金金金金金金金金金金金金金金

お皿に盛ったら仕上げに黒こしょうをかけて完成。
SF
公開:24/02/22 07:48
更新:24/02/23 07:38

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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