はじける

「ママ、あ～んして」
息子がプリンの乗ったスプーンを私へと向ける。それをぱくっと口にする。
「おいしい？」
「うん。凄くおいしい。癖になる味わいだね」
口の中、甘さがじんわりと広がるというより、花火のように一気に広がってはすぐに収まる甘さが何度も続く。
飽きの来ない味は私好みだ。
「これね。はじけるソースたっぷりのはじけるプリンなんだ！」
はじけるプリン。初めて聞く名前だ。そもそもはじけるソースって何？そんな物騒なもの、子どもが口にして大丈夫なの？
パッケージを見せてもらうと説明書きにはこう書かれてあった。
『はじけるプリンはそのまま食べてもおいしいですが、人から食べさせてもらうことでドキドキとはじけるソースの化学反応が発生し、よりはじけた味わいをご堪能できます』
何だかよく分からないけど。多分大丈夫そうだ。
息子へと視線を戻すと、まるで雛が親鳥に餌をねだるかのように大きく口を開けていた。