私のばあちゃん

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私のばあちゃんは変わり者だ。もう歳のくせに、最新の流行ファッションを熱心に調べてはそれを着たりする。
お母さんが「みっともない!」って言うけど、いつもそしらん顔。
気になるのはわかるけど、いい歳なんだからと思いながら、私はもういらなくなったキーホールダーを捨てた。

「これ、これアンタのだろ」
次の日、ばあちゃんが渡してきたのは私が捨てたキーホールダーだった。
「それもういらないもん」
「何でさ。アンタ、このキャラ好きなんだろ」
「好きだけど、それ子供向けアニメのキャラだし。私もう中学生だもん」
そう言うと、ばあちゃんは呆れたような顔をした。
「馬鹿かいアンタは。好きな物はいつまで経っても好きで良いんだよ。何で年齢に邪魔されにゃならんのさ。誰がなんと言ったって、好きは好きで良いのさ」
キーホールダーを握らされる。
もういらないのにと呟きながらそれを握る私の手には、痛いほどの力が篭っていた。
その他
公開:24/02/13 07:33

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