石の上にも三年

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博士はとある研究を続けてすでに三年が経過している。成功の暁には給料を十倍にしてあげるとの約束で助手になったが、このままでは生活もままならぬ若い男。
すでに前の会社時代の貯金もすっかり底を突いてしまった。

この助手君は、遂に博士に辞めたいと申し入れたが、博士は引き止めるどころか実は儂も生活が出来ないし、研究は辞めてどこかに転職しようかと思ってたところだと答えた。
な~んだ、博士も同じなのか。だったら一緒に職探しをしましょう。テレビで色々なサイトが宣伝していますから、きっと良いところを紹介してくれますよ。と励ましあった。

あれから三年、未だ決まらず何故か博士の研究所の廃墟には二つの石像がある。
訪問者が確認すればこの像は大きな石の上に二人は手を取り合ってへたり込んだ石像であった。
何事も三年たらずで成功の道は開けないと言う戒めとして、多くの見学者を集めている。
ファンタジー
公開:24/02/07 11:41

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