笑って

僕は笑わせるのが大好き。
パパやママが泣きそうな顔をするのが大嫌い。
だから、そんな顔してる時はいつもふざけて笑わせた。
ママはすぐに笑ってくれて、パパは「何やってんだ」とあきれながら笑ってくれた。
それが、僕には嬉しかった。


だから、今度も笑わせようとしただけなんだ。
いつもと同じように。
でもパパは笑わなかった。
「こんな時までふざけるんじゃない！！」って、大きな声で僕を怒った。
いつもは、笑ってくれるのに。
僕は泣きそうになりながら部屋を出た。
ママがいなくなって、パパが泣きそうな顔をしてたから、いつも通り笑わせようとしただけなのに。
僕は、泣きながら廊下の済で小さくなっていた。


僕がさっき飛び出した部屋からは、お坊さんの声がずっと聞こえていた。