賞味期限切れの漫画

漫画家である私は１年以上前に描いた作品を新作として担当に渡す。
そんな事をして何の意味があるのかって？大ありだよ。
私は時事やトレンドといった新鮮な話題をネタに使うギャグ漫画家なんだ。
なら猶更、早くに出したほうがいいんじゃないかって？いやいや、それは違う。
何せ私のギャグ漫画は新鮮さこそあれど、面白くないんだ。だから新鮮な内に出したところで全然ウケない。
そこで私は新鮮なネタを腐らせる事にしたんだ。するとどうなるか。
私のギャグを子ども達が友達に食らわせるとする。
腐ったネタを食らわせるんだ。食らうとお腹が痛くなる。お腹が痛くなるくらい笑ってくれる。一周回って面白く感じる。
ギャグ漫画家として、こんなにも嬉しい事はない。
とはいえこの方法、当然私以外のギャグ漫画家だって知っているし、当然同じ手法を使ってくる。
そのせいか、最近ではこの手のギャグ漫画に対し、子ども達が食傷気味となっている。