あぁ、あなたはどうして…!

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「チャーミングな二本の角、雨雲のような頭、凛々しい眉…!あぁ、鬼さん!あなたはどうして鬼さんなの…!」

「透明な白い肌、艷やかな黒髪、柔らかな声…!あぁ、お福さん!あなたはどうしてお福さんなのですか…!」

節分。
さっき外へ追い出した鬼と内に留まった福が私の部屋のベランダでこのやりとりをもう3時間は続けている。あんまり思いつめて悲恋になってしまったら、それこそ今年一年青鬼みたいにブルーな気分で過ごすことになる。ジャージ姿にコートを羽織り、アパートの2階から下へ降りていく。

「もうわかったから。節分だからって追い出してごめんね。寒かったよね?皆でココアでも飲もう。」

赤鬼は顔を更に真っ赤にさせて目を潤ませながら感謝の言葉を述べ、ベランダにいる福と再び見つめ合う。

やれやれ、私のロミオはいつになったら現れるんだろ。さっき撒いた豆のように夜空に散らばる星へ、私は白い息を吐き出した。
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公開:24/02/03 23:00
更新:24/02/03 20:34
節分あるある…?

ネモフィラ(花笑みの旅人)( 気の向くまま )

読んでくれてありがとう!

寒い季節になったから、気が向いた時にふらりと立ち寄ってゆるーく投稿しています。

 

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