魔法に憧れて

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魔法使いに憧れていた。
絵本で見てからずっと練習したけど、中学生の従兄弟に「魔法なんてあるわけない」とバカにされて、悔しくて泣いていた。
あまりに泣くもんだから、従兄弟がなだめながら「良いこと」を教えてくれた。

「心配しなくても、お前もそのうち魔法使いになれるよ」
「でも、さっきは、なれないって…」
「黙ってたけど、なる方法があるんだ。魔法使いに」

僕は、泣くのを止めてキラキラした目で従兄弟を見た。
従兄弟は「内緒だからね」と僕に耳打ちする。
これで僕も魔法使いになれるんだ!




「で、魔法使いになれた?」
「なれてると思う?」

彼女と同棲してるアパートに招待した従兄弟と笑う。

「この野郎」
「こっちのセリフだ馬鹿野郎」
「抜かせ、俺は神になる手前だぞ」
その他
公開:24/02/02 07:51

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