新しい鍵

もうすぐ６０歳を迎えようとする私は今、コンビニでアルバイトしている女子高生に恋をしている。
おっと…誤解を招いてしまう言い方だったな。正しくは彼女のお勧めしてくれる商品が楽しみで彼女に対し恋に似た感情を抱いている。
この夏はフラッペにドハマりしたし、コンビニスイーツなんて新作が出る度に買っている。
どれもこれも彼女が勧めてくれたもので、キャラメルラテに至ってはもう手放せない。
この歳になると新しい発見なんてないし、あっても必要ないと思ってしまう。そんな私の閉鎖的な考えを彼女は開いてくれた。
彼女は鍵であり、新しい発見には必要不可欠な人だ。
彼女が息子の結婚相手だったら…と何度も思う。だが息子は４０歳。さすがにそれは無理か…
と、思っていたら息子が恋人を連れてきた際、彼女を紹介してきたではないか！
息子の恋人の娘さんとして、だけどね。
世間の狭さを感じると同時に私達は二人の結婚をお勧めした。