川のほとりで
2
1
「すみません、誰かおりますでしょうか?」
やっぱり返答はなかった。
海沿いのこの町は、ついに過疎を極めて誰もいなくなったみたいだ。
この歳になるまで、勇気が出ずに降り立つことができなかった町ではあったが、少しばかり決心するのが遅すぎたような気がする。
「やっと帰ってきたよ。寂しかったよね、きっと」
呼吸が苦しい。酸素がもうすぐ足りなくなる。
お墓のそばに小川がひっそりと流れている。
近くには骨洗浄するための場所が用意されており、昔、敵と戦って殉死した戦士達を労ろうと、祈祷を兼ねて造られた。
私の夫は、地球を守るために、必死に体を張って戦い抜いてきた。だが、どうしても異星人の放つ電磁パルスには敵わなかった。
「今度は私が、あなたの代わりに守るからね」
酸素は残りわずかしかない。
墓に紫色の花を一輪供えた還暦の女性は、手早くモビルスーツを身につけ、天空へと飛び去った。
やっぱり返答はなかった。
海沿いのこの町は、ついに過疎を極めて誰もいなくなったみたいだ。
この歳になるまで、勇気が出ずに降り立つことができなかった町ではあったが、少しばかり決心するのが遅すぎたような気がする。
「やっと帰ってきたよ。寂しかったよね、きっと」
呼吸が苦しい。酸素がもうすぐ足りなくなる。
お墓のそばに小川がひっそりと流れている。
近くには骨洗浄するための場所が用意されており、昔、敵と戦って殉死した戦士達を労ろうと、祈祷を兼ねて造られた。
私の夫は、地球を守るために、必死に体を張って戦い抜いてきた。だが、どうしても異星人の放つ電磁パルスには敵わなかった。
「今度は私が、あなたの代わりに守るからね」
酸素は残りわずかしかない。
墓に紫色の花を一輪供えた還暦の女性は、手早くモビルスーツを身につけ、天空へと飛び去った。
青春
公開:24/02/05 08:39
更新:24/02/05 09:06
更新:24/02/05 09:06
2023/10/19に参戦した新参者です。忌憚のないコメントお待ちしております。
ログインするとコメントを投稿できます