また会いましょう

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『また会いましょう』
その言葉と共に眠りについた私は、それから何年も何年も、何年も何年も暗い部屋の中で眠り続けました。
外では、何度も季節が巡ります。
桜にはしゃぐ声。
海へ行くと弾む声。
虫達の歌う声。
そして、雪を喜ぶ声。
眠っていた私にも、それらの声が届きます。
けれど、『また会いましょう』と言った彼女の声は聞こえるけども、私を目覚めさせることはありませんでした。
あれから、どれだけの時が過ぎたのだろう
私は、突然光の元に晒されました。



「ばぁば、これなにぃ?」
「あら…あらあらあら、懐かしい…」
5歳の孫娘がどこからか引っ張り出してきたそれは、私が小さい頃使っていた赤ちゃん人形でした。
横にすると、目を閉じるやつ。
「これもらっていい?」
「ええ、良いわよ」



久しぶりに目を覚ました時、大きいあの子と小さいあの子がいました。
「久しぶり」
お久しぶりです。
その他
公開:24/02/05 07:55

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